第11章 Tsumbergia
大体2時間後、俺達はクロム島に到着した。
クルー達が港に船を停泊させ、今回はベポ、ペンギン、シャチの3人だけ連れて俺は島へと降りた。
13年前は港に人がいたが今日はいないようだ。
昔の記憶を頼りに町の方へと移動していく。
「キャプテン、ここ来た事あるんすか?」
「ガキの頃一度だけ来た事がある」
少し歩くと見覚えがある町が目の前に広がる。
俺は近くにいた男に声を掛ける。
「ここにリオっていう女はいねぇか」
「兄ちゃん海賊かい?海賊が何の用だ」
「ある人の想いを叶える為に来た、もし信じられねぇならレイモンドっていう医者にトラファルガー・ローが来たと伝えてくれればわかる」
男は怪訝そうな顔をしていたが、俺の名前を聞いておお!と声を上げる。
「お前さん昔ロシナンテの側にいた小さかった子か!でっかくなったなぁ!」
ちょっと待ってろと男が言うと走っていったので俺達はそのまま待つ事にした。
「キャプテン、ここ誰がいるんすかー」
「……コラさんの想い人だ。俺も13年前に一度だけ会ったきりだけどな」
「へぇ。その人がこの前取ったやつ必要なんすか?」
「あぁ。会えばわかる」
俺がそう言った時、町の奥の方から誰かが走ってくるのが見える。
大きな身体で金髪の男が腕に栗色の髪の女性を抱いて物凄い速さで走っている。