第11章 Tsumbergia
俺の大恩人であるコラさん。
あの人の本懐を遂げる為に生きてきた。
コラさんの事を考えると一緒に浮かぶのは子供の頃に一度会ったあの盲目の女。
病に侵されていた俺にも優しくしてくれた人。
あの人の帰りを待っている人。
彼女はまだ、コラさんの帰りを待っているのだろうか。
偉大なる航路の海上。
元王下七武海であるトラファルガー・ローは一度新世界を抜け、ある島に向かっていた。
「キャプテン、言われた島にもう少しで着くよー」
「あぁ」
この船の航海士である白くまのベポはローの隣に立つと手に持っていたエターナルポースを見る。
「キャプテン、このエターナルポース…随分前から持っていたけど思い入れがある島なの?」
「……あぁ。あの人の本懐を遂げた今、会いにいかねぇといけない奴がいる島だ」
エターナルポースには“クロム島”と刻まれている。
「ベポ、あの海賊から取った---は?」
「オペ室に保管しているけどあんなの何に使うの?」
「この島で必要な物だ。管理を怠るなよ」
『彼を…お願いね。困っていたり怪我しそうだったら手助けしてあげて』
『あと、もし何かあって…彼が死にそうで…君を生きて逃がそうとしたならあなたは生きて』
あの日、コラさんに内緒で交わした俺と彼女の約束。
笑顔で俺達を送り出す時に一瞬だけ見せた悲しげな表情。
『ロー、オペオペの実が使えるようになったら…リオのとこも行こうな…』
あの日コラさん言ったあの言葉。
13年もかかったが、今コラさんの想いを叶える。