第9章 Calendula
彼女が仕事に打ち込んでいたのは、1人が寂しいから。
俺に会えなくて寂しかったのか
泣いてる彼女を見ながら俺の心には嬉しさが込み上げる。
こんなにも俺は愛されてるのか
そうこうしてるうちに彼女は目元を強く擦ってる。
あんなことしちゃ目が赤くなっちまう。
「そんなに擦ったら赤くなるぞ...」
そう声を掛けながら後ろから抱きしめて目元を擦ってた手を取る。
彼女は目元を濡らしたまま、驚いた表情をしていた。
「ゆ、夢...?」
「違う、現実だ。ただいま...」
俺はそう言うと彼女を正面に向けてぎゅっと抱きしめる。
抱きしめた彼女が前より少しほっそりしたかもしれない。
「おか、えりぃ...うわぁぁん!!」
抱きしめた彼女が声を上げて泣き始めて、本当にこの4日間が彼女にとって寂しいものだったんだと知る。
抱きしめたまま泣きじゃくる彼女の頭を撫でる。
ここまで感情を剥き出しに泣く彼女も珍しい。
でも泣く彼女には申し訳ないがその姿が愛おしくて堪らない。