第8章 sunflower
「改めて見るとすげえな…」
店の外に出た俺は至る所花で飾られている町にそう呟く。
(あとで何か食いにどっか寄るのもアリだな…)
食べ物も多く並んでいる店を見ながらそう考えている時、ふとある店にある物が目に入る。
黄色の花の装飾が施された髪飾り。
(そういえば最近髪結ぶこと多いな…)
近頃、花畑で土いじりをしている事が増えてきているので長い髪を結ぶことが増えた彼女。
「お兄さん!このバレッタが気になるのかい?」
「バレッタって言うのか…この花は?」
「こいつはひまわりさ!」
俺は店員に近くで見てくれとひまわりのバレッタを渡され、手に取ってよく見る。
白い土台にプラスチックで大きいひまわりと小さいひまわりの花と葉が装飾されている。
「これ土いじりとかで使って落ちたりしねぇか?」
「もちろんだよ!奥さんに贈り物かい?」
「まぁ…」
俺はそのバレッタを買おうとした時にその隣に置いてあったもう一つのバレッタに気づく。
黒い土台に紫色の花が装飾されているもの。
「おやじ、この花は?」
「ん?あぁそれはキキョウさ」
キキョウという花は聞いた事が無かった。
だけどなんとなく彼女の栗毛にひまわりもキキョウも似合う気がした。
「おやじ、このキキョウとひまわりのやつをくれ」
「毎度あり!あ、お兄ちゃんに良い事教えてやるよ」
「良い事?」
「あぁ、この2つの花の花言葉は…」