第8章 sunflower
「誰もいないのか?」
俺が中に入ると…
「いらっしゃい…」
花の影からにゅっとばあさんが出てきて、突然の登場に俺の心臓が飛び上がる。
「どわぁあ!?び、びっくりさせんなばあさん…」
「いやぁ久しぶりの客でねぇ…」
ひゃっひゃっひゃっと笑うばあさんは店の中にある椅子に座る。
「で、何の用だい?」
「実は…」
俺は今まであった経緯、店に行っても彼女の事情を言うと取り合ってもらえない事を説明した。
「なるほどねぇ、まぁ今は祭りで稼ぎ時だからそういう客は嫌がられるんだよ」
「こっちも好きでこうなった訳じゃ…」
「まぁ待ちな小童。私でいいなら好きなだけ話してあげるよ、時間はあるからねぇ」
「本当ですか!?」
ばあさんの言葉に俺よりも彼女が声を上げた。
「あぁ、どれ…こっちの椅子で座りながら話そうか」
「はい!」
「あぁ俺は祭りを少し見てくるから…ゆっくり話しててくれ」
俺の言葉に彼女は嬉しそうにありがとうと言い、歩いて行く。
俺は彼女が無事に座ったのを確認して店の外に出た。