第7章 Dumpling
その夜。
「ロシー」
俺は外で食後の日課である煙草を嗜んでた。
家の中で吸ってもいいと彼女は言うが、俺よりも数倍鼻が利く彼女には辛いものと思い、夜風に当たると理由をつけて外で吸っている。
「どうした?何かあったか?」
このタイミングで彼女が俺のとこに来る事はあまり無い。用事があっても家の中に戻るまで待つタイプだ。
「え、えっと...」
玄関で言いにくそうにモジモジしている彼女。
なんだこの可愛い生き物は。
(ど、どうしよう...今日は私から抱きつくって決心したじゃない...っ)
しばらく無言の時間が続いたと思ったら彼女が俺に向かって歩いてくる。
やっぱり何か用事が...と思った瞬間
彼女が俺に抱きついてきた。
身長差的に俺の腹辺りに抱きつく形になる。
「え、リオ...?」
俺が彼女の名前を呼んでも彼女は何も言わず、ギューっと強く抱きつく。
何か辛い事でもあったんだろうか。
奥手な彼女がこのような行為をしたのだから何かしら理由があるはず。
俺は何も言わない彼女にどうしようと考えていた。