第6章 Strawberry
土地を決めた日から作業に取り掛かったのだが…
村長から俺達が家を建てる場所を決めたと聞いた島の奴らの行動は早かった。
俺も土地を耕しに行っていたのだが、行く度に工程が進んでる。
花を植える畑を3/1耕して次の日に行ったら終わっていたり
生えてる雑草をある程度抜いて次の日行ったら綺麗に無かったり
そろそろ家を建てる打ち合わせと思ったら既に土台が出来ていたり
後で聞いたら俺が行ってる間に彼女の元に打ち合わせに行ってたらしい。
あまりにも急ピッチすぎる建設に
「そんな急ぐ必要は...」
と俺が言おうとした日にゃ
「「「「リオの為にやってるだけだから気にするな」」」」
と口を揃えた。
彼女がどれほど島の奴らに愛されているか、痛いほどわかった。
~4ヶ月後~
俺は彼女を抱き上げて、木々生い茂る道を歩いていた。
家が出来たから見に行こうと伝えた日から彼女はまだかまだかとソワソワしていた。
あまりにも可愛くて予定より早めに見に行くことにした。
しばらく歩き生い茂っていた木々が途切れ、俺達の新居が姿を現した。
花を植える為の広い畑。
その中央に建つ家は身長が高い俺に合わせつつ、彼女も生活しやすい佇まいになっている。
「着いたぞ」
俺は家の前に着くと彼女を下ろす。
そして彼女の手をドアノブに導く。
勿論この家に最初に入るのは...
「ほら、俺達の家だ」
ドアを開け、彼女に入るように促す。
彼女は持っていた杖で入口の段差を探すが
「......あれ、段差がない?」
「この家にはリオが生活に困らないようにと島の奴らのアイデアが詰まってる。中に入って確かめればわかる」
俺の言葉に彼女は家の中に入っていく。
俺もその姿を見て彼女の後を追った。