第6章 Strawberry
『島の奴らのアイデアが詰まってる』
そう彼に言われ、新居に入った私。
杖で足元を探り、壁伝いで部屋の中を移動する。
しばらく歩くとどこかの部屋に辿り着いたのだが、壁の角を触ると固い感触ではなく、少し柔らかい感触があった。
(これは...ぶつかっても怪我しないように...)
それから全ての部屋を見ていって様々な工夫に気づいた。
角という角には柔らかい素材
部屋の中に1つの段差もない
中にある部屋のドアは玄関以外は出入りしやすいように引き戸
キッチンにも様々な工夫がされていた。
彼が頭をぶつけた音がしないから天井は彼に合わせてるのだろう。
「素敵な家...」
「気に入ったか?」
「うん!」
島の人に聞いたら畑もとっても広いみたい。
沢山の花を植えられる。
みんな、素敵な家をありがとう。
でも1番言いたいのは...
「ロシー」
「ん?」
「これからもよろしくね」
彼と新しい家で始まるであろう楽しい日々。
愛する彼とのこれからの生活を想像したのだった。