第3章 Orange
「汝、ドンキホーテ・ロシナンテはフィオーレレ・リオを妻とし、生涯愛し守り抜くことを誓いますか?」
「誓います」
教会の人の言葉に彼は迷いなく答えた。
「汝、フィオーレレ・リオはドンキホーテ・ロシナンテを夫とし、生涯彼のそばで支え愛し抜くことを誓いますか?」
「…誓います」
まだ、ちょっと戸惑っているけど
その言葉の答えは私の口からすぐに出てきた。
「では、指輪の交換を」
ゆ、指輪?そんなの用意して…
そんなことを考えていたら彼に左手を取られ、薬指に金属のような感触が通っていく。
しかもサイズピッタリ。私指輪のサイズ言った覚えが無いような…
「リオ、これを俺の左の薬指に嵌めて」
彼はそう言うと私に指輪を持たせ、自身の薬指先に指輪をあてる。
私はそのまま薬指奥に指輪をはめるように手を動かす。
「イエローダイヤモンドの指輪だ、リオの瞳の色だ」
「あ…」
イエローダイヤモンドは彼が昔、私に送ってくれたネックレスに埋め込まれている石と同じ。
その石が持つ言葉も知っている。
「では、誓いのキスを」
教会の人の言葉の後、私の顔の前にあった布は彼の手で後ろに持っていかれる。
「…綺麗だ、リオ。世界で一番綺麗だ」
「ロシー…」
「…愛してる」
彼がそう言うと唇に彼の唇が触れた。