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ノートル・ダム・ド・ヨコハマ

第3章 報復は我に任せよ、我これに報いん


「太宰君の言う通り。我々にとって薬物の取引が、収入の大半を占めている。勿論、中也君の気持ちもよく分からなくもない。私もあまり気乗りのする商売では無いからね。然し、合理的に考えても薬物の取引の利権は何としても復権せねばならない。
しかも、それだけでは無い。我々ポートマフィアがそうした"薬"の流通の"均衡"を保つ事は必要なことなのだよ、分かるかい、中也君?」
「私情を挟み申し訳ありません、首領。」
首領の言葉にハッとして、恥じ入るように中原は謝った。
「構わないよ、中也君。話を元に戻そうか。それでキミ達には、先ず近頃このヨコハマで大量に"薬"を流通させている輩を見つけ、情報を集めて来て欲しい。分かったかね?」

「ああ、そうそう。それでね、今回は中也君が指揮を執って太宰君は補佐に回って欲しい。あと、この銀の託宣、これを持っていきなさい。」

「「承知しました、首領。」」

そう言うと太宰と中原は至って神妙な面持ちで首領の執務室を辞した。が、その数秒後、辞して早々に首領からの最後の一言によって言い争いが始まったのは言うまでもない。

「今回は中也君がどのように動いてくれるか楽しみだ、ねぇ、エリスちゃん。」
2人が辞した後の執務室で未だヨコハマの街を見下ろし独り言のように呟く森。その傍らにエリスが何処からとも無く現れた。
「ふーん、よく分からないけど、リンタローは楽しそうね。酷い悪人面よ。」
「エリスちゃん!?なんて意地悪云うの!?でも可愛いから許すっ!!」
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