第1章 プロローグ
ー私は死んだのだろうか。
彼女は、闇の中で問い掛けていた。
体は動かない。真っ暗で何も見えない。
きっと死んだのだろうと彼女は、確信していた。
それはとてつもない安堵と多幸感だった。
ーもう苦しみは終わったんだ。
そう思った瞬間、前方から僅かに光を感じた。
それは少しずつ強さを増していくように感じた。そしてそれと共に、その他の、五感が戻ってくるように感じた。
そして、彼女は己では無い誰かの声を聞いた。
ー光あれ!私の生み出す全てに祝福を!
その言葉の後、一気に光が彼女を包み込んだ。
もはや影は消え去った。
彼女は己がまだ生きている事を発見した。
体には血潮の脈打つのと、激痛が走る。
「何故あの時、死なせてくれなかったの…!」
少女は、彼女を目覚めさせた"神"に向かって声にならぬ声で罵りの言葉を叫んだ。