第6章 知りたい
リヴァイが私達のもとに下ってから月日が経ち...
リヴァイ...あいつはこれから調査兵団を引っ張る存在になるだろう...そんな期待から私はあいつから目が離せなくなっていた。
私とエルヴィンの判断は間違っていなかった。あれからリヴァイはとてつもない戦果を上げ、あの時の約束通り私達の下で働きいつの間にか厚い信頼の置ける存在になっていた。そして兵士長という立場に就き、「人類最強」と呼ばれるまでになっていた。
俺は仕事上ではあるが、共に戦う約束を交わしたミラとエルヴィンとは兵団の誰よりも信頼の置ける関係になっていた「仕事上」は。
だが俺が興味があるのは巨人じゃねぇ。ましてやミラの作戦やミラが寄越した仕事に素直に従っているとはいえそれ事態に興味がある訳でもねぇ。俺が気になるのは「ミラ自身」だ。
何だってあいつはあんな人間なんだ?戦略を立てるのに長け、壁外調査での作戦に至ってはエルヴィンの誰が聞いても完璧だと思う作戦をエルヴィンの意図を汲みつつ更に完璧に仕上げる。しかも副団長という自分の立場で最重要でやるべき点を理解した仕事を完璧にこなし、立体機動は俺に並ぶ腕だ。更には対人格闘にも長けているらしく、街中でミラの美しい見た目に釣られて襲って来た男達を一瞬で体術であしらっていたのを見た事がある。その上部下への気遣いも完璧なまでにこなす為、美しい容姿も相まって部下をメロメロにしているのをよく見かける。しかも性格や口調が男勝っている為、女どもにまでモテてやがる...クソみてぇに人たらしだ。それに弱音も吐かなければ自分よりも周りの相談に乗ってやがったりする。あいつを知れば知る程こんな人間が存在するのかと、何だってあいつはどんな人生を歩んできてあんな不自然なくらいに「出来すぎた」人間になったのか気にならずにはいられなかった。