第39章 救いの手
私はターゲットのいるという場所に着き、作戦の準備を始めた。
「私は作戦通り、ターゲットが現れたらあの建物の裏に回る。ケニー、後のことは分かってるな?」
「へぇへぇ。ミラ様のご意思のままに。」
「では、作戦開始!」
そう指示を出し、持ち場に移動しようとしたその時...
ヒュンッ、ザシュッ
立体機動の音と同時に肉を切り裂く音がした。
「うっ...」
「おい、ケニー...リベンジだ。俺達の副団長...返してもらうぞ」
「!?...リヴァイ!?」
「戻って来い!ミラ!」
リヴァイはそう言って私に手を差し伸べた。
差し伸べられた手を握ろうとしたその瞬間...
「ドチビのくせにやってくれたなぁ?」
「ミラ、奴と決着をつけてくる。必ず生きてお前と調査兵団へ帰る。待ってろ」
それからはそれはそれは人間同士の戦いとは思えない超人同士の戦いが繰り広げられ、ケニーとリヴァイは互いにボロボロになっていた。
そして、その時はやってきた...
「ケニィィィ!!!」
「リヴァイ!!!」
ヒュンッ、ズサッ、ザシュッッッ
リヴァイはケニーの攻撃を避け、最後の渾身の一撃をくらわせた。
「クソッタレ、が...」
そしてケニーは意識を失って倒れた。
「帰るぞ、ミラ」
「ああ...」
私が答えると同時に暖かい温もりに包まれた...
私はリヴァイに抱きしめられていた。
「まだ、覚悟は決まらないか?...俺に愛される...俺を愛する覚悟...俺はお前の為に全てを捨てる覚悟で来た。命さえ賭けた。まだ足りないか?まだ過去に縋るか?」
「...すまない...」
「俺は待った。お前の覚悟が決まるまで。もう待つ気はないぞ」
「...」
「何も答えられないか...なら...」
リヴァイは私を抱きしめていた腕を離し、今度は左手を私の肩に置き右手でナイフを持った。
「動くなよ」
そして私の首元にナイフをかざし、
スパンッ!!
「!?」
シャラ...
リヴァイがナイフを振りかざしたと思ったら私のネックレスのチェーンが切れてネックレスは地面に落ちていた。
不思議な事に首には傷一つ付けずその場にはネックレスだけが落ちた。
私は愛した人の形見であり分身のように思い肌身離さず持っていた地面に落ちたそれをただただ眺めていた...