第38章 対人戦闘部隊での仕事
これで、よかったんだ...私のせいであの時のように大切な人が死なずにすんだ。
リヴァイが助かる為なら私の身なんてどうにでもなればいい。
あの出来事から私は正式に憲兵団所属となり、ケニーの率いる対人戦闘部隊に身を置いていた。
調査兵団副団長が憲兵団にいるなんてそんな人事異動普通は許されないが、対人戦闘部隊は憲兵団の中で極秘部隊であり、兵団内でも知るものは殆どいない事があり、私は表では今のところ長期の極秘任務をしている事になっているらしい。
「ミラ様?今日もお美しいこって。その頭脳、格闘術はこの対人戦闘部隊にいてこそ役に立つもんだ。それに俺はお前に惚れた。ドチビには悪いがお前は俺の物だ...おっと、あいつの話は禁句だったな」
「うるせぇよ。私はもうお前の下で働くと決めたんだ。リヴァイの事なんてもうどうでもいい事だ」
「そーかい。」
「それより仕事だ。今回は誰をボコせばいいんだ?」
対人戦闘部隊というだけあり、王政に刃向かった人物を暗殺したり処罰をするのが主な仕事だった。私は主に作戦を立て、仲間が危険な時に助ける役目をしていた。正直、人を殺すなんてしたくなかったしケニーもそれでいいと私に好きにさせていた。
そんな仕事にも慣れてきた頃だった。調査兵団の拠点の近くでの任務が入って来た。
「今回はどんな仕事だ?」
「王政への不満を言いふらして民衆に王政に不信感を募らせて回ってる輩がいるしくてな。放っとけばいいもんだと思うんだが、王様はどうしても気に入らないらしくてな」
「そうか...」
「何だ?元気ねーな。古巣の近くでの任務だから気が滅入ってんのか?」
「うるせぇ、無駄口を叩くな。さっさと終わらせるぞ」
こうして私達は目的のターゲットがいるという場所に向かった。