第31章 親心からの仲直り
「だが、私の中ではやっぱり彼は捨て切れない存在なんだ...だからまだ彼に縋らせてくれ...今の私に彼を自分の中から解放する勇気はない...」
「...そうか...けれど私の君を幸せにしたいという気持ちは忘れないでくれ」
「ああ。心配かけたな」
「さあ、リヴァイの所に行ってきなさい。仲直りするんだろ?」
エルヴィンはそう言って私の背中を押した。
このままじゃダメだ。逃げる事しかできなかった自分の弱さからエルヴィンに心配をかけ、リヴァイをも傷つけた...
エルヴィンの親心に心動かされた私はリヴァイのもとへ急いだ。
「リヴァイ!ミラだ!話がある」
「ミラ!?とりあえず部屋に入れ」
リヴァイの部屋に入れて貰った私は自分の愚かな行為を詫びた。
「私はお前から逃げたんだ...理由も言わず自分勝手に。告白されてすぐ好意を伝えられたのが気に入らないかのようにお前から離れた。お前は何も悪くないのに当て付けのようにな。そんな私の行動がお前を傷つける事だって分かってたのにな...すまなかった。」
「俺が告白をした次の日の朝にはお前は居なくなっていた。お前が居なくなった理由はきっとお前の過去を抉った事だと後から気づいて正直かなり落ち込んだ。振られた事よりもお前を傷つけた事の方がよっぽど辛かった。それに顔を見たくなくなるくらい傷を抉った俺となんかもう今まで通りの付き合いをしてくれないと思ったしな...お前はモテるからあの時焦って告白して振られちまったが、お前は今こうして俺の前にいて俺を突き放さないでいる...俺はもうそれだけでいい。お前に俺の気持ちを受け止めろなんて求めない」
「リヴァイ....すまない。私はまだ、贖罪の気持ちと愛した人をそう簡単に捨て切れない...だから、今まで通りの関係でいさせてくれ...私が私を縛るものを捨て切れるまでは...だがお前からもう逃げる気はない!エルヴィンにも色々言われたからな。私なりに考えたのがこの結論だ!」
「ふっ...なら俺はお前の成長を気長に待たせて貰う」