第28章 逃走
リヴァイの告白から私は頭を悩ませていた...
正直今はあいつと距離を置きたい...だがエレンの報告の仕事がある限り私はこの拠点から離れられない。
あいつとこれ以上距離を縮めたら自分が自分でなくなるような、嫌な予感がする。
ダメだ。リヴァイと距離を置かなければ...
そう考えた私は兵団に戻って仕事をする事にした。エレンの進捗報告以外に私がここにいる理由はない。変わりはいくらでも見つかるはずだから職務放棄にはならないだろう。
そう思い立ったらすぐ行動で、私は荷物を纏め拠点を出た
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馬を走らせ兵団に到着し、ある提案をしに団長室へ向かった
「エルヴィン、ミラだ。居るか?」
「ミラ?何故ここに戻っている?まあいい、何か理由があるのだろ?」
団長室に入り要件を話す
「エレンの進捗報告から私を外せ。」
「?...どうした急に」
「お前から来る山のような書類仕事と私には次の壁外調査の作戦の件もある。裏で兵団と癒着している貴族の件もなんとかしなくちゃならんし私には兵団でやらなくてはならん事が多すぎる。エレンの進捗報告までしている余裕がない」
「だから戻って来たと」
「そうだ。」
「分かった。代わりの兵士をあちらには派遣しておく」
「すまないな。感謝する」
そう言って私は団長室から自室に戻り書類仕事を始めた
全てはリヴァイから離れるが為の言い訳。これ以上あいつといるのは危険だ。あいつと顔を合わせるのが怖い...そんな自分勝手な都合で私は強引に距離を置き、あいつの気持ちを踏みにじる行動をした。
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その頃のリヴァイ
あいつ...何故いない...
荷物も綺麗になくなってやがるって事は兵団に戻ったのか。
仕事馬鹿なあいつの事だ、エルヴィン辺りから戻るように言われたんだろう。
...まさか...昨夜突然あいつに告白しちまって振られたが、振った事で顔を合わせづらくなったから戻ったのか?いや、あいつのメンタルはそんな弱くないはずだ。
しかし俺が告白して様子がおかしかったのは確かだ。あいつはあの時「あの人しか...」などと言っていた。確実に俺はあいつの過去をほじくり返したわけだ。
もしその事であいつが兵団に帰ったのだとしたら...
その可能性が拭えず、俺は暫く頭を抱えた。