第26章 エレンくんと
あれから体調は良くなりいつものように仕事をこなしていた。
今日の仕事はエレンの実験の立ち会いだ。
「今の段階ではこれが限界か...」
「そうだね、これ以上無理させる訳にはいかないし」
「副団長!俺、まだやれます!」
「いや、やめておこう。これ以上無理をしてもいい結果は出ない」
「そうだ、今日はここまでだ」
私は自室に戻り、今日のエレンの進捗の報告書を書いていた
コンコン
「エレンです」
私の部屋にエレンが訪問してきた
「どうした?何かあったか?」
「あの、俺、全然巨人の力を使いこなせてなくて...調査兵団の皆さんに迷惑をかけてばかりで、このまま俺が巨人の力を制御しきれないと判断されたらと思うと...」
「そんなに焦らなくてもいい。君には並々ならぬ覚悟がある。その覚悟があれば努力次第で状況も変わるはずだ。焦ってもいい事は無いぞ」
ミラがエレンを抱きしめる
「副団長...すみません、くだらない相談に付き合わせてしまって。」
「気にするな。君の年齢でここまで努力をする事は誰でも出来る事じゃない。それに君を不安にさせているのは私達にも責任がある酷な事に付き合わせてしまっているね」
「いえ、俺が自分で選んだ道ですから」
「そうか。君は強いんだな。これからはもっと辛い思いをする事になると思うが私に出来ることならなんでもしてやる。いつでも相談してくれ」
...わしゃわしゃ...
ミラがエレンの頭を撫でる
「副団長、ありがとうございます。俺、頑張ります!では、失礼しますした!」
副団長、美人で強くてあんなに優しい...素敵な人だな...
「おい、エレン何ニヤニヤしている?」
「あ、兵長!すみません」
さてはあの人たらし...エレンまでたらしこんだな?
クソッ...どんどんライバルが増えてくじゃねーか!
あいつが俺以外のものになるなんてありえねぇ...
あの鈍感野郎、こんなに俺が柄にもなくアピールしてんだから少しくらい靡かないのかよ...