第21章 過去編3
それから私は調査兵団に入り犯人を探した。
どうやらルークを殺した犯人は兵団の外から侵入したらしいと分かった。であればそいつは刺客で兵団内の奴が外の協力者にけしかけた可能性が高い。刺客を雇って殺すなど一兵士では刺客に支払う金の面からして簡単ではない。という事は、兵団と繋がりのある貴族か?それなら怪しまれずに連絡を取り合え、かつ金もあるから刺客の一人二人余裕だろう。
頻繁に兵団と繋がった貴族と連絡と取っていてルークを降格させたい立場の奴...
...あいつか...
私はすぐ犯人の所に行き、犯人をエルヴィンの所に連れて行った。
「エルヴィン、こいつだ。」
「そうか、君だったか...君はルークと同期で兵団では古参だったね。君も調査兵団で長く生き残っている事もあり昇格の話が上がっていた事もあったようだね。だが、私が団長になった事により君の昇格の話はなかった事にされ、同期であるルークが団長補佐という調査兵団No.2の立場になった。それが許せなかったのかな?」
「ゆゆ、許してくれ!殺そうとまでは思ってなかったんだ!ただ降格すればと思っていただけで。だが証拠不十分で兵法会議は保留になったから奴がまた戻って来るかもしれないと思って!奴が戻って来たら確実に俺の昇格の希望はなくなる!俺には家族がいるんだ!稼がなきゃならねえんだ!だからルークが兵団資金を横領してる噂のあった貴族を疑ってるってデマを言って貴族を焚き付けたんだ!そしたら奴らルークの釈放を恐れて刺客まて使って殺したんだ!だから俺は殺そうとまでは思ってなかったんだって!!」
「ミラ、君には裁く権利がある。君に任せるよ」
「そうか...こいつは殺しても殺しても殺しきれないが、ルークはお前の事を信頼して命まで預けていた。お前の下で兵士を出来る事をいつも自慢げに私に語っていたよ...そんなお前だからこそ、エルヴィン、お前にもこいつを裁く権利はあるはずだ。それに私はお前が裁くのがルークの為だと思う」
「それが君の答えかい?なら、私に裁かせてもらうよ」
エルヴィンはこいつを地下送りにした。恐らく奴は死ぬより辛い目にあっているだろう。地上の人間が地下の苦しみに耐えられる訳がない。これでよかった...
その後私は愛した人の骨を加工してネックレスにした。
私が愛するのはあの人だけ...