第16章 兵法会議
エレンの身柄が決まる兵法会議が始まった
「憲兵団か、調査兵団か...まず憲兵団の案を聞かせてくれ」
総統が各兵団に質問を始めた
「我々はエレンの人体を徹底的に調べ上げた後、速やかに処分すべきと考えております。しかし、彼が多数の巨人を退けたのは事実です。人類の英霊になって頂きたいと思います」
「では、調査兵団の案を」
「我々はエレンを正式な団員として迎え入れ、巨人の力でウォールマリアを奪還します。以上です」
「それだけか?」
「人類の今後を考えれば何を優先すべきは明確なはずです」
「彼は巨人の力を制御できていません!人類の命運を託すべきか疑問があります」
ここでたまらずエレンが話し出した
「あなた方は、巨人を見たことも無いくせに何をそんなに怖がっているんですか?力を持っている人が戦わなくてどうするんですか!生きる為に戦うのが怖いっていうなら力を貸してくださいよ!この、腰抜け共め!いいから黙って全部俺に投資しろ!!」
「...構えろ!!」
憲兵団がエレンに銃を向ける
ボコッバキッ...
「うっ、ぐはっ」
エレンの呻き声と骨の折れるような音が響く
「これは持論だが、躾に一番効くのは痛みだと思う。今お前に必要なのは言葉による教育ではなく教訓だ。しゃがんでいるからちょうど蹴りやすいしな!こいつは巨人化した時、力尽きるまでに20体の巨人を殺したらしい。敵だとすれば知恵がある分厄介かもしれん。こいつを虐めた奴らもよく考えた方がいい。本当にこいつを殺せるのか...」
「総統!ご提案があります。エレンの巨人の力は不確定な要素を多分に含んでおり、危険は常に潜んでいます。そこで、エレンの管理をリヴァイ兵士長に任せ、その上で壁外調査に出ます」
「ほう、出来るのか?リヴァイ」
「殺すことに関しては間違いなく。問題はむしろその中間がないことにある」
「エレンが巨人の力を制御できるか、人類にとって理がある存在かどうかその調査の結果で判断頂きたい」
「結論は出た。エレン・イェーガーは調査兵団に託す」
かくしてリヴァイの活躍によりエレンの身柄は調査兵団に託される事になった。