第12章 完璧崩し
女兵士を強姦していた男達に我を失って暴力を振っていた私は、リヴァイに制止されエルヴィンに自室に戻るよう言われ部屋にこもっていた。
「私はあの時何を...」
思い出されるのは強姦の瞬間を目撃した時...
「うっ...」
同時に過去の記憶が蘇ってきた。
幼い頃地下で暮らしていた時の記憶...
思い出したくもない最悪な記憶...
「何なんだよ...私はあの時の私がじゃない。もう忘れろ!」
自分にそんな事を言い聞かせても記憶というのは厄介で過去の嫌な事ばかり思い出す。
「うっ、おぇ...」
咄嗟に吐き気が襲い、トイレに駆け込み吐く。
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その頃の団長室でのエルヴィンとリヴァイ
「エルヴィン、ここまでお前達に付き合わされて来たんだ。あいつの支えにくらいなってやるよ」
「ありがとうリヴァイ。ミラの事よろしく頼む。」
「ああ」
それから俺は自室に戻っているであろうミラの元に向かった
「おいミラ、居るか?」
俺はミラの部屋の前で声をかけた。しかし聞こえてきたのは俺の問いかけに対する返事ではなかった
「ゲホッ、おぇ...」
あいつ...吐いてやがんのか?
「ミラ、入るぞ!」
俺は返事を待たず部屋に入った。案の定ミラはトイレの扉を開けたまま吐いていて...
「ミラ、大丈夫か?」
そう言いながら俺はミラの背中をさする
「リ、リヴァイ!?ゲホッ、何故ここに居る!?うっ、」
「おい、喋るな。辛いんだろ」
「大丈夫だ。頭痛がして少し吐いただけだ。さっきは取り乱してすまなかった。お前に止めて貰わなければ奴らを殺してたかもしれない。迷惑をかけた。エルヴィンの奴からの呼び出しは大丈夫だったか?」
こいつはこんな時にまで弱みを見せず俺を気遣う事を言って来た。
違うだろ...何故謝っている?何故死にそうな顔してんのにいつもと変わらない口調で話す?何がこいつをここまでさせてるんだ?俺の前くらいでは完璧でいるのをやめろよ!