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【ハリポタ親世代】恋は痛いけれど幸せかも

第1章 【シリウス夢】気付いたら好きで



シリウスは頭が良いという噂は聞いていた。
実際、状況理解の速さ、イレギュラー対応の迅速さ、ペース配分と、実験もとても手際が良かった。

ペアとしては頼もしい限りだ。
私はほとんど助手…というか、お手伝い程度で手を出す隙が無かった。
今も、次に混ぜる葉を見れば既に刻んである。
いつの間に、と思いながら手を伸ばして見ると確かに刻んであるが、端の方がくっついていたり、よく見ると刻み切れてない大きなものが混ざっていたりと、だいぶ歪な出来映えなことが分かった。
何でもソツ無くこなす彼だが、どうやら細かい作業は苦手なようだ。
完璧に見える彼にもこんな面があるのかと思ったら、何だか笑いが込み上げた。

思わず零れてしまった声を聞いたらしいシリウスが、「なんだよ」と訝しげに見てくるのがまた面白くて堪えられなかった。



「あはは! いや、ごめん。別に悪く言う訳じゃないんだけど、シリウスくんって、もしかして細かいことあんまり得意じゃない?」



一瞬ポカンとした顔のあと、シリウスは私の持った皿を見て言われた内容を理解したらしい。
逸らした顔が少し染まっていた。



「いんだよ、刻めてりゃ」



そう不貞腐れたように言った彼が、皿を取り上げる。
これまでのイメージと違い、どこか可愛く思ってしまい、また笑みが零れた。



「まぁ、良いんだろうけどさ、ふふっ。良いよ、貸して! 私、こういう細かいの好きなの」



取られたばかりの皿を取り戻し、台の上に広げると細かく刻み始めた。
誰かと一緒に作業することはあったけれど、こんなに楽しい気持ちで受けた授業は初めてで周りを忘れてワクワクしてしまった。
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