第1章 はじめましてからのきっかけ
でも、考えてみれば何も思っていないわけじゃない
いつもお店の中から紫色のパーカーが通るのをちらちら見ていた
今回助けてもらった時、正直話せるきっかけが出来て嬉しかった
お喋り出来て、でも帰るのがちょっと寂しくて、あと少しだけ…と思って家に誘った
(え……これじゃまるで…好き、みたい…////)
自覚した途端、ボンッと顔から湯気が出るぐらい真っ赤になった
一「ねぇ、聞いt…」
「い、一松くん…あのね…あたし…あたしも…その…〜〜〜////」
一「……なに」
「だから、あたしも…一松くんの事、気になってたよ…って言ったの///」
ハッキリと口にし、恥ずかしくて俯く日永祈
(いきなり、こんな事言って軽い女…って思われちゃったかな…?)
しばらく無言のままな2人
不安になり恐る恐る彼の顔を伺うと
一「〜〜〜//////」
彼もまた真っ赤になりプルプル震えていた
一松side
一(つい…勢いで行くって言ったけど…もう俺色々ギリギリ…)
彼女がコンビニで買っている間に、これから向かう家で脱糞しないよう肝に命じていた
一(つかよ!彼女の家に男が行くってことはつまり、ソーユーコトだって認識していいわけ!?…いやいや、男女の関係じゃあるまいし、つか燃えないゴミにはありえない展開っしょ…)
1人考えて歩いていると目の前に立派な一軒家が…
一「え…まさか、家ってここ?」
話を聞けば、親は海外勤務でいないって…
いよいよあり得ない展開に近づいてしまって一松の身体中から変な汗が噴き出してきた
「適当に座ってくつろいでいてね」
彼女はそう言うとキッチンへ行ってしまった
一人残された俺はソワソワして落ち着かない
とりあえずソファへ…ではなくその横へ移動した
「え、一松くんなんでそんなとこにいるの?ソファ使っていいよ?」
案の定、戻ってきた彼女に驚かれた
でも、いくら闇モードに入っても笑って受け入れては彼女のペースへもっていかれる
一(チッ…調子狂う…でも、悪くないかな…)
*〜*〜*〜
一「…?だ、大丈夫?…その顔、赤い…」
彼女の顔を見るとすでに真っ赤になっていた
喋り方も呂律が回らない感じで、つまり完全無防備な状態にしか見えなかった
一「あの、さ…流石にこんなゴミでも勘違いするよ…」