第1章 はじめましてからのきっかけ
一松side
「ご、ごめんなさい…でも…怖くて…うぅ…」
一「え! ま、ちょ……っ!」
どう接していいかわからずオロオロする俺
(…チッ。クソ松なら気の利いたセリフの一つや二つ言えるのに…)
気の利いた優しいセリフなんて
俺にはわからないしね…
とりあえず、背中をさすってみる
数十分後…
「すいません…やっと落ち着いて来ました…」
一「……そう…///」
まだ目が赤いが、落ち着いて来たらしい
「本当に助けて頂きありがとうございます、出来ればお礼したいのですが…」
一「……は?」
え?なに?聞き間違い?
社会のゴミクズの童貞クソニート、燃えないゴミの俺にお礼?
はっ、お礼と言う名の通報かな、ひひ…
でも…本当は
ずっと、この子の事が気になってた
だから、路地裏に来る時にわざと店の前通るようにしてた
一目でも見たかったから
ヒヒ…俺ってば本当キモいな
でも、さっきの見て思わず足が出た
俺以外の奴が触れるのが許せなかった
なんて、こんなクズが許される感情じゃないのに
何柄にもないことしてんだが…
「あ、お使い…!ごめんなさい、もう行かなきゃ…あの!これ良かったら!あたしの連絡先なんで!」
一「…っ!」
その子の連絡先が書かれた紙を俺の手に握らせながら、ぺこりとお辞儀をして走って行った
一「……まぢ…か…////」
こんな展開が未だ信じられず、そのまましばらくその連絡先を見つめていた
顔がニヤけてるのが嫌でも分かる
一(こんな顔して帰ったら、クソ兄弟に何言われるか分かったもんじゃねぇ…)
しばらく電柱に自身の頭を打ち続けていた一松だった…