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~貴方とずっと~ 私的【イケメン戦国】

第10章 実家


すでに信玄様の色香にノックアウト気味の母、そしてリビングには腕を組んでソファに座っている父と兄がいた。

リビングに入るとすぐに

「初めまして、私、武田信玄と申します。
 この度はご挨拶が遅くなり大変申し訳ござませんでした」


家族の前で、頭を下げ挨拶をしてくれる信玄様。
だけど……


「武田信玄……?それ、本名ですか?」


兄がびっくりしたように、口を開いた。


「はい」

「ご両親が戦国武将好きなんですか?」


まぁ……普通にそう思うよね……


でも信玄様は心を決めていたようで


「いえ。違います」

ハッキリと否定した後、チラリと私の目を見てから信玄様は


「皆様がご存知の通りの武田信玄で御座います」


床に座り、深々と手を突き頭を下げた。
それを聞いて胸が苦しくなった私。

だけど家族の反応は……


「はははっ!愉快な方だ!どうぞ、頭を上げて下さい」


父が声をかける。


だけど頭を上げない信玄様。

そして私も信玄様の横に座り


「お父さん、お母さん、お兄ちゃん……本当なの……この方は、あの武田信玄なんです」


そう言うと、信玄様と一緒に手を突き頭を下げた。



「もう、二人して何を……」


そう言って母が声をかけてきたんだけど……


ポロポロと涙が溢れている私の顔を見て、家族三人が息を飲んだ。

そして


「そんなこと……まさか……」


父が呟く。


「ずっと黙っていて ごめんなさい。信じて貰える自信がなくて……」


頭を下げたままの私に、母が近寄ってきて


「キチンと説明しなさい」


その顔に先ほどまでの笑顔はなかった。








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