第8章 愛馬
「そうかーお前は黒雲の子孫なのかーあいつも気が荒くてなー」
嬉しそうにたてがみを撫で付ける信玄様。
「どうだ?お前なら俺ときょうこの二人くらい、楽に乗せる事ができるだろう?」
信玄様が、黒翔に話しかけている。
その光景を呆然と見ていると、佐助君が横に来て
「見た瞬間に解ったよ。黒雲の子孫だって。でも、まさかここで会えるとは思っていなかったけどね」
「そうなんだ……すごい偶然だね」
「そうだね。本当に。あ、スタッフに頼んでくるよ」
「うん」
佐助君は足早にスタッフに近づき声をかけた。
「黒翔は、お借り出来ますか?」
「えぇ!もちろんです!乗りこなせる人が少なくて、黒翔も喜ぶと思います!」
スタッフも嬉しそうに答えてくれる。
「良かったですね」
信玄様の横に行き声をかけた。そして、
「私も乗っていいかな?黒翔?」
黒翔にも声をかけると……黒翔は、
耳をピンと伸ばして、私の声をしっかりと聞いたあと、甘えるように私の体に鼻を擦りつけてきた。
「賢い子だ」
信玄様が声をかけると、今度は嬉しそうに前足で地面を掻き出した!
その後、私達三人は山道を駆けたりと、楽しい時間をたっぷりと過ごした。