第7章 甲府
「きょうこさん、すまない。何故か車の運転だけは苦手で……」
後部座席でしょんぼりしている佐助君。
「なんか、意外でびっくりしたけど大丈夫だよ」
「まぁ。俺はこちらに来て初めて、命の危険を感じたけどなー」
なんて言いながら楽しそうに笑う信玄様。
「すいません……」
「でも、まさかきょうこが、こんな大きなからくりを操れるとは、思わなかったなー」
助手席からニコリと微笑みかけてくれる、信玄様。
それを横目でチラリと見る……
ふふ……本当に嬉しそう。
「意外ですか?」
「あぁ。きょうこには、いつも驚かされるよ」
「今から行くところも、驚くと思いますよ。ね、佐助君」
「はい!だけどきっと喜んでいただけるはずです!」
「そうかー楽しみだなー……まぁ、だけど行くのは彼処だよな……」
苦笑いの信玄様。
そう車を走らせる傍から、大きな看板が立っているから、どうしても目につくんだよね……