第1章 現代
こちらに戻ってきて、2ヶ月半……
もうすぐワームホールが開く……
佐助君から電話がかかってきた。
いつもは、近況報告や進捗状況なんかを知らせてくれるだけで、短いメッセージが多かったんだけど。
『きょうこさん、久しぶり。ご家族とは落ち着いたかい?』
「うん。ありがとう。もうすぐだよね……私にも手伝える事があったら……」
『ありがとう。君には信玄様がこっちに来たら、頑張って貰うから』
「もちろん任せてね!でも、本当に何か……」
『大丈夫!もう全て手配済みだから、後は信玄様を迎えに行くだけだ』
「うん、それが一番重要だよね」
『あぁ。それに、信玄様がこっちに来てからは何かと忙しくなると思うから。その時はよろしく頼むよ』
「うん!佐助君は……どお?大丈夫だった……その……色々……」
『まぁ、色々……ね。でも大丈夫だ。きっと上手く行く』
「そうだよね!」
『あぁ。それより当日は、朝早くにワームホールが開くから、前日には京都入りしていてほしいんだ。ホテルは……』
もうすぐ……もうすぐ、会える!信玄様に!
私は何度も確認しては、当日を心待にしていた。
だけど、
3週間ほど、留守にすると言った時の両親の顔は……
やっぱり、なんとも言えない表情をしていた。