第6章 求婚
テーブルに着くと、佐助君が
「アルバムは出来るだけ早く仕上げて貰うように頼んでいますから」
「あぁ、日があまりないからなぁー」
「色々とありがとうね、佐助君。まさか、神父様で一緒に写真に残せるとは思わなかったよ」
「なんだか、コスプレが趣味になりそうだ」
「“こすぷれ”……」
信玄様がその言葉を聞いて呟いている。
カタカナ言葉が色々とわかってきている信玄様。
最近はタブレットとにらめっこをしている時間も減っている気がする。
すると佐助君が
「そう言えば、お金は充分に稼げたので、もう大丈夫ですよ」
「そうかー良かったよ。あの“たぶれっと”は、目が疲れるからなー」
「?」
私が不思議そうな顔をしていると佐助君が教えてくれた。
「信玄様に情報を読んで貰って、株を売買していたんだ」
「えっ!?」
「俺の得意分野を活かしただけだ。まぁ、この時代でも基本は似たようなものだからね」
「そ、そうなんですか……」
す、すごいな信玄様……いつの間にそんな事まで……
「まぁ、後は歴史の勉強が残っているがな」
……やっぱり歴史に名を残す人は、違うな……
あっけらかんと笑っている信玄様を見て、私は感心する事しか出来なかった。