第6章 求婚
「……やぁ、きょうこさん……」
「佐助君……その格好……」
「……神父さんだ」
「神主みたいな者は必要ないのか、と聞いたら佐助がこれを言ったからなー。頼むぞ、佐助」
ニンマリと笑う信玄様。
「まぁ……格好だけだからね……」
「あれ……でも、いいんですか?信玄様はかなり信仰心の強い仏……」
私の言葉を遮るように、
「佐助がこれは、祭りの一種だと言っていたからなー」
声を被せた信玄様。
まぁ、あまり今この時点で宗教の話は止めておくか……
佐助君も本物の神父さんでもないし、ね。
それよりも何よりも、あきらめていたウエディングドレスを着れた事が嬉しい!!!
「ありがとうございます、信玄様」
「あぁ。俺はその笑顔が見たかったんだ」
すると佐助君が
「信玄様に、こっちで式を挙げれないか聞かれてね……一般的な女子の憧れはウェディングドレスを着ることです、って伝えたんだ」
「そうだったんだ……色々とありがとう、佐助君」
二人の気持ちが本当に嬉しい。
たとえ本物のお式じゃなくても、、、
「さぁきょうこ、せっかくだから雰囲気だけでも楽しもう」
「はい!」