第4章 手術
さっと佐助君が信玄様の横に行く。
「佐助……この細い管は……どこに繋がっているんだ」
「あぁ、これはカテーテルと言って、信玄様の膀胱に直接繋がって、尿を排出しているんですよ」
「ぼっ、!!!」
「今夜は安静なので、一晩の我慢ですよ」
「!!!!!!!」
カテーテル…………そう言えば、昨日手術の説明の時にそんな事、言ってたな……
「うわっ!信玄様っ!何してるんですかっ!?」
「こんな管、武士の名折れだっ!!!」
ええっ!?まさか、自分で抜こうとしてる!?
「ダメですよっ、信玄様!きょうこさん!看護師さんを呼んでくれ」
「は、はいっ!!!」
私がナースコールで呼ぶと、すぐに看護師さんが来てくれたんだけど……
「きょうこさんは、部屋を出てくれないか?信玄様が珍しくパニクっている」
「う、うん……」
そんなにパニクってるんなら、私も傍にいた方が……
でも、その後すぐに看護師は部屋を出て、今度は主治医の先生一人がやってきた。
そして、暫くして……
先生が苦笑いで、部屋から出てきた。そして
「もう入っても大丈夫ですよ」
と私に声をかけてくれた。
そっとドアを開けて中を覗くと、佐助君と目が合った。