第4章 手術
中に入ると信玄様が
「すまない。いくら薬で眠っていたとはいえ、他の女子に……」
「?」
「せめて今は、男子の医者に頼んだんだ……」
「???」
あまり意味が解らなかったので、佐助君を見たら
佐助君が笑いを堪えている!?
そして、小さな声で耳打ちしてくれた。
「信玄様は、尿管に管を通されたことも、通したのが女性だったことも、酷くショックだったんだよ。
今も無理を言って外して貰ったんだけど……」
「こんな傷、すぐに起き上がれる!それに……どうして俺がきょうこ以外の女子に、、、触らせないといけないんだ!!!」
…………
医療行為だし……
私じゃ入れることなんて、できないんだから……
思わず心の中で、冷静に考えるけど……
私の事をそこまで大切に考えてくれるのは、やっぱり嬉しい。
「もう女たらしは、返上ですね」
佐助君が笑いながら言うと、
「当然だ!!!」
やっぱりまだ酷く怒っているようで……
だけどそんな信玄様が、なんだか可愛く見えて……私は微笑ましく見ていたんだけど……
その日の晩は、初めて佐助君が病室に泊まった。
万が一のトイレの介助要員として……
そんな姿を私にはどうしても見られたくないらしく、その日は近くのホテルに泊まった。
そして……信玄様の前で
『カテーテル』
と言う言葉は禁止になった。