第4章 手術
手術が終わるのを、信玄様の病室で待っていた。
一番早く終わる手術時間と、万が一、開胸手術になった場合では、数時間の差があった。
早く終われば終わるほど、信玄様への身体の負担は少ないはずだ。
祈るような気持ちで、手術が終わるのを待つ。
待っている時間が一番長く感じる。
「はい、これ飲まないか?」
「あ、ありがとう」
佐助君が温かい紅茶を出してくれる。
「リラックス効果のある紅茶だそうだ」
「ふふ、ごめんね。笑顔でいるって約束したのに」
「大丈夫だ。まだまだこれから、たくさん笑顔が出るよ」
「うん」
「それより術後の予定なんだけど……」
「うん」
私達は、退院してからの予定を話していた……
良かった。
佐助君がいてくれて。
信玄様は大丈夫だと信じているし、必ず治るとも……
それでも一人で待つのは……やっぱり心細い……
佐助君の存在は、戦国時代でも現代でも、かなり心強い存在だな……
って、あれ?
佐助君って……
もしかして……
突然、黙って考えこんだ私に、佐助君が
「俺も一緒に戻るよ。戦国時代に」