第4章 手術
「じゃあ、俺は明日また来ます」
「あぁ、すまないな」
「私一人でも、大丈夫だよ?」
手術には付き添いが必要だった。まぁ、待ってるだけなんだけど……万が一の時に、決断を下せる人が必要なんだろう。
だけど、きっと万が一なんてないから!
私はそんな気持ちで、佐助君の付き添いを断ろうとした。
「そんな不安そうな顔で言われても、説得力がないよきょうこさん」
「へ?」
「ははっ。俺より青い顔をしているなー」
「ほ、本当ですかっ!?」
思わず自分の頬を押さえる。
「あ、今度は赤くなった……」
「佐助ー、あまりきょうこをからかわないでくれよー」
「…………」
いや、信玄様もからかってきてるよね……
でも、、、
ふふふ……
と、私が笑い出すと
「やっぱりきょうこには笑顔がよく似合う」
「きょうこさんの笑顔は、百人力だからね」
大げさな二人の言葉に、やっぱりまた笑顔になる。
そうだよね、私はいつも笑顔で信玄様を支えるって決めたんだから!
「ありがとう、信玄様。佐助君」
私の笑顔で二人とも、笑顔になる。
まぁ……佐助君は、少し口角が上がるくらいなんだけど。
その後は、また二人きりになったんだけど……
手術の前日は緊張して眠れなくなる人も多いらしい。だけど信玄様は
「明日が待ち遠しいなー」
なんて言ってる。うん。心にも余裕がある。信玄様なら大丈夫!
明日はきっと上手く行く!
その日の夜は、信玄様もタブレットは置いて、二人静かに抱きしめあって眠った。