第4章 手術
暫くすると佐助君も来てくれて……
手術の説明が始まった。
執刀医の先生が、ホワイトボードに絵を描いて、説明をしてくれる。
胸に数ヶ所穴を開けて、小さなカメラを入れ、その画像を見ながら患部を切り取る。
ただし想定よりも大きな腫瘍の場合は、開胸手術になると言われた。
いわゆる、メスでスパッと切ってしまうヤツ。
小さな穴を開けるだけと、胸を切り開いた傷じゃあ治りの速さが格段に違ってくる。
信玄様はずっと黙って聞いている。
一通りの説明が終わると
「何かご質問はありませんか?」
先生が聞いてくれたけど、かなり丁寧な説明だったから、私からの質問は特に何もなく
信玄様の顔を見ても
「いえ。全て先生に委ねていますので」
まぁ、何を聞いていいかも解らないよね……
「そうですか、全力を尽くしますよ」
全幅の信頼を寄せられているからか、先生の表情も明るい。
「はい。よろしくお願いいたします」
信玄様が頭を下げると、私と佐助君もすぐに「よろしくお願いいたします」と頭を下げた。
とうとう、ここまで来た……
それが私の正直な気持ちだった。