第3章 買物
食事を楽しんだ後は、もちろんデザート。
「しかし何を食べても旨いなぁー」
信玄様は、ずっと感心している。
「お口に合いますか?」
食べなれない物はどうなのかと不安だった気持ちは、実はもうない。
何事も前向きに捉えて、楽しむ姿勢の信玄様に私は感心を通り越して、感動していた。
「もちろんだよ」
だから答えも解っている。そして、その答を私と佐助君は嬉しそうに聞いていた。
すると佐助君が
「先ほど買った歴史書なんですが……」
「あぁ」
「文字が解るようになったら、ざっと覚えて下さい」
「解った」
「えっ!?いいの?先を見てもらっても……」
私は不安になって二人の会話に思わず入った。すると
「俺達二人がタイムスリップしたことで、歴史を変えてしまう可能性があるんだ。まぁ、今回の事もそうなんだけど」
「……たしかに」
「だから、今、俺達がいる現代に繋がるためには歴史を変えるのはダメなんだ。そこまでは、解ってもらえるかな?」
「……うん」
きっと不安そうな顔で聞いていたんだと思う……
だって私達の存在が未来を変える……
そんなことは決してあってはならないから……