第3章 買物
お店を選んだのは、信玄様。
パスタのお店だった。
「いやーせっかくだから、今しか食べれない物を食べようかと思ってねー甘味も見たことないような物ばかりだったから」
店先のショーケースに並ぶ食品サンプルや、メニューに目が釘付けだった信玄様。
キラキラ、わくわくと覗き込む目は、少年の様に輝いていて……
まぁ……結局、何をしても格好いいのだと。私は一人ニヤニヤしとながら、その姿を眺めていた。
そしてオーダーすると、さっきスマホで撮った写真を信玄様に見せる。
「見事な物だな……」
感心したように言うと、スマホを色々と触りだした。
すると佐助君は、タブレットを取り出して
「信玄様には、こちらを」
「あぁ、これかい?さっき言っていたのは」
「はい」
そして使い方を教える佐助君。
「信玄様は器用ですから、すぐに使いこなせますよ」
「そうかなー」
二人の様子を黙って見ていたんだけど……信玄様、タブレットなんて何に使う必要があるんだろう……
それでも真剣に話を聞く信玄様の顔が、凛々しくて本当に素敵で……うっとりとして見惚れていたら、
パスタが運ばれてきた。