第3章 買物
「だいたい、なんで俺の名前はいつも謙信と一緒なんだ!?」
そう、よく見ると私が会った武将達は皆、一人の名前で一冊の本になっている物が多い。
幸村だってそうだ。なのに……
「あ!でもちゃんと信玄様だけの本もたくさんありますよ…………」
でも……やっぱりどの本も、熊みたいにゴツく描かれているなぁ……
こんなに格好いいのになーーー
なんて、信玄様の顔を見ていたら
本を顔の横にあてて
「どうだい?本物の方が良いだろう?」
パシャ
へ?パシャ?
佐助君が信玄様の写真を撮っている!?
「感動だな。これを書いた作者も出版社も、まさか本人が手にするなんて思わないよな」
「ま、そうだなー」
「確かにっ!あ、私も記念に撮ってー」
「次は俺も撮ってくれ」
「オッケー」
「……なにを、とるんだい……?」
「写真ですよ!後で説明します!信玄様はそのままポーズをお願いします!」
「ぽ……ぽおず……?」
静かな本屋で大の大人3人がキャッキャッと騒いでいるのは、さすがに気がとがめて……すぐに撮影会は止めたんだけど……
佐助君……生き生きしてたなぁ……