第3章 買物
「きょうこさん、先に一緒にこっちに来ないか?」
「あ、うん。私のは別に後でいいから」
なんて話しながら、佐助君が向かった先は……
子供向けの歴史のコーナーだった。
「この辺りが……」
戦国時代の武将達の名前が並んだ本棚の前で佐助君が言った。
「……なんだ、織田の名前がやけに多いな」
信玄様が呟く。
「現代で人気があるんですよ、あとは徳川家康、伊達政宗……最近では明智光秀も人気のようです」
佐助君が説明をしている。
あ、そういえば次の大河ドラマは光秀さん……
って、ほんと凄い人達と会ってるんだよね……まぁ、あんなに妖しい感じにはならないんだろうけど……
そして私は一冊の本を手に取る。
『信玄と謙信』
その表紙に描かれている信玄様の絵は……
「なんだ……熊みたいじゃないか……」
憮然とした信玄様の声が上から降ってくる。
「ふふ……ほんと」
思わずクスクスと笑う。