第3章 買物
…………
タクシーで近くのショッピングモールに来た。
平日お昼の時間帯だけど、そんなに混んではいない。
だけど……
信玄様の事を振り返って見る人の数が、半端ないっ!!!
通りすがりに聞こえてくる声は、
“格好いい”や、“芸能人?”だの……
隣にいる佐助君だって、普通の服装なんだけど……
二人から放たれる、戦国時代オーラが現代にはないからか、ほぼすれ違った人、皆が振り向いては、二度見したりこそこそと話している。
……ま、私はいたってフツーなんだけどね。
そして、二人がずっと話しながら歩いているからか、私は二人の後ろを着いて歩いていた。
ま、話すことがたくさんあるんだろうなー、私はまた夜には二人になれるしなー
なんて思っていたら、信玄様が突然振り向いて
「すまないっ!姫!」
私の手をギュッと握ると、側に引き寄せ肩を抱いてきた。
!!!
う、うれしいけど……
周りの目がっ!!!は、恥ずかしいっっっ!!!
うーん、乙女心は複雑だな……でも、とりあえず……
私、絶対に不釣り合いだわ……
とりあえず、信玄様……
そのオーラ消してくれないかなあ……
ま、ムリだよね……自然に滲み出てるんだもんね。
そんな事を考えていたら、本屋に着いた。