第3章 買物
そのあともパンをたくさん食べ、ジュースを飲んだり、珈琲には砂糖とミルクをたっぷり入れて飲んだりと、信玄様は現代の食事を楽しんでくれた。
こうしていると、本当に元気そうで……どこも悪いところなんてないんじゃないかな、なんて思ってしまう。
朝から検査の確認や検温なんかでやって来る看護師さん達も声を揃えて
「顔色がよくなりましたね」
「すぐに手術もできますよ!」
なんて言ってくれる!
だけど病気が治った訳じゃない。
時々、酷く苦しそうに咳き込むこともある。
なのに……私がいるからか、絶対に辛そうな顔は見せずに
「すまないなー」
なんて、笑っている……
背中を擦るくらいしか出来ない自分に、無力さを感じるものの……どうしようも出来ない。
私が出来るのは、笑顔でお側にいることだ。
そして何が何でも、信玄様を無事に戦国の時代に送り返す……ううん、一緒に帰るんだ。