第2章 病院
「今のきょうこさんの顔色の方が問題だな……」
「へ?えっ!?私っ!?」
「戻ってきてから、ずっと青い顔をしている」
「う、うそっ!!!」
思わず両手で頬を押さえる!
「まぁ、あの信玄様の顔色を見れば青くもなる……」
「…………」
思わず口ごもる……
だけど佐助君は
「大丈夫だよ、きょうこさん。信玄様は、こんなところで死ぬような人じゃない」
「……そうだよね」
「あぁ。それよりも……辛いかも知れないが……出来るだけ笑顔でいてくれないかな……?」
「えっ」
「ずっと、ここにシワが寄っている」
佐助君が自分の眉間を押さえて、言ってきた。
「ほ、ほんとっ!?」
「君の笑顔が信玄様には一番の薬だから」
佐助君が口角を少し上げて笑う。
「そ、そうだよね。私までが不安そうだったり、困った顔をしてたら、信玄様も不安になっちゃうよね」
「辛い事は俺に吐き出してくれ」
「……ありがとう」
ニコッと笑いあったその時、ノックの音が響いてドア開いた。
「もうすぐ今日の検査が終わりますので、先にお部屋までご案内しますね」
「は、はい!」
チラリと佐助君の顔を見ると、
「診察はこの後ですか?」
「はい、検査結果が出るまで少しお待ち下さい」
ほんと、佐助君便りになるな……私の聞きたいこと、全部先に聞いてくれる。
ううん!私もしっかりしなきゃ!!!
自分自身に気合いを入れていると、佐助君が
「きょうこさん、スマイルだ。」
眉間に指をあてて、言ってくる。
「う、うん!」
焦って笑顔で答えると、佐助君が親指をたててうなずいてくれた。