第2章 病院
「あまり詳しいことを言ってなくて、不安にさせているみたいだから……正直に言うよ」
「うん……」
「実は信玄様から武田家の家紋の入った道具なんかを、質に入れたんだ」
「へ!?質に!?」
「まぁ、あの時代では大した物じゃなくても、いまこの現代になると、かなりの価値がついてね。他にも小判とか……まぁ、色々とあるから、お金のことは本当に気にしないでくれ」
「そ、それは解ったけど……質に入れて流れても大丈夫なの?」
「それも対策は考えてある。まぁ、万が一質流れしても問題ないような物ばかりだから。あまり全てを話しても、きょうこさんが気にするといけないと思って」
「そうだったのね……なら、良かった。ありがとう佐助君」
万が一、何かあって歴史を変えるような事があったら……思わずそんな心配をしてしまったけれど、
どう考えても、佐助君の方が私よりも先を読んで考えている。
少し肩の荷も下りた。
ホッとした時に、待合室のドアが開いた
「あの……すいません。武田様が佐助様をと、お呼びでして、、、」
「あ、俺です。行ってくるよ」
さっとソファから立ち上がる佐助君。
「お願いします」
私はそう言って佐助君を見送った。
何かあったのかな、、、
少しまた不安になったのも束の間、すぐに佐助君が戻ってきて……
「トイレの使い方に戸惑ったみたいだよ」
「あーーー……そうだよね……他には……」
どんな様子か気になって聞いたんだけど……
佐助君は私の顔をじっと見て……