第2章 病院
待合室は、これまたゆったりとしたソファーで……
私はふかふかのソファーにポスンと腰を下ろした。
ほんの少し前に、戦国時代に行って……信玄様をちゃんと連れてこれたんだな……
緊張が少し解け……力が抜けたように座りこんでいた。
「お疲れ様、きょうこさん」
佐助君がコーヒーを差し出してくれた。
「あ、ありがと。いつの間に……」
「この部屋にあったよ」
よく見るとソファーだけじゃない、簡易ながらも飲み物のセットまで用意してある。
「なんか、凄いところだね……想像つかなかったよ……」
「俺も正直、驚いている。まぁ、本当の金持ちってのは、想像を超えているものだ」
「ふふ、ほんと」
この豪華過ぎる病院は、佐助君が大学の教授のコネで教えてもらった、いわゆるセレブリティな人が使う、自費治療だけの病院だそうで……
まぁ、有名な政治家とか芸能人とか、病気の事を誰にも知られたくないような人が使うところ、らしいんだけど……
「こんな病院があるなんて、知らなかったよ」
「俺もだよ。まぁ、一般人には全く関係のない所だからね」
佐助君がコーヒーをくいっと飲みながら言った。
「ふふ、ほんと」
「だけど信玄様は違う。世が世ならスーパーセレブだ」
……確かに
「お金……本当に大丈夫なの?」
いくら信玄様がスーパーセレブでも、今の時代のお金なんて……こんな病院、いくらあっても足りないんじゃないのかな……