第14章 ~おまけ話~ 甲斐の国
「信長様は?」
「俺はまた葡萄牙に戻る。まだまだ学びたい事が多くあるからな。それは必ず、またこの国の為になるだろう」
「はい!」
清々しく笑う信長様からは、年相応の青年のような微笑みが見れた。
その笑顔に皆が驚いて、だけど、嬉しそうで
「俺が日の本を纏めるまでには、戻って来て下さいよ」
家康がそう言うと
「阿呆が。貴様にはそれだけの力があるんだ。
それに家康、貴様は一人じゃないだろう?」
信長様の言葉に、皆が大きく頷く。
信玄様も幸村も笑顔だ。
すると笑顔の信玄様と目が合った。
「全てお前から始まったなーきょうこ」
「……え?私ですか!?」
「どう考えても貴様だろう?」
皆の視線が今度は私に注がれる。
「えっと……た、たしかに……そうかも?」
ふふっと笑う私を見て、皆が大きな声で笑った。
「はーこんな風に集まるのは、もう早々ないだろうなー」
「だな」
「もう……ないの?」
秀吉さんと政宗の会話に、思わず割って入った。
「次は、信長様がまた帰ってきた時かもな?」
「そっか……忙しくなるよね」
「全員が集まれなくても、またここに来ても宜しいですか?きょうこさま」
「もちろんだよ!
そうだよね、いつでもまた会えるよね」
其々に「あぁ」「もちろんだ」なんて返事をしてくれる。
その時
パチパチと鳴り続ける火の音が大きくなった。
そして私の手元にあったのは……
現代から持ち込んだアルバムと、チェキだった。