第14章 ~おまけ話~ 甲斐の国
そんなことをぼんやり思い返していたら、秀吉さんと三成くんもやってきた。
信長様と信玄様に挨拶を済ませると、私の方を見て大きな声で秀吉さんが
「きょうこっ!!!よく肥えてきたなっ!!!」
「秀吉様っ!その様な言い方は……」
「…………」
思わずじとーーーっと見つめる。
「ち、違うぞきょうこっ!腹の子だ!腹の子が大きくなってだなっ!!!
だいたい、お前はいつまでそんなに愛らしくて、母になんてなれる……」
秀吉さんの言葉が途中で止まった。
「?」
後ろを振り返ると、信玄様が物凄い形相で秀吉さんを睨みつけている……
「お前に心配などかけん!」
わわわっ!信玄様、秀吉さんのこれはほとんど挨拶で……と、言おうと思ったけど
「信玄様、秀吉様の世話焼きも久方ぶりなのです。皆様に愛されているきょうこ様を、お独り占めされているのですから、少しばかり私達にもその幸せをお分け下さい」
三成君が天然炸裂のエンジェルスマイルで、秀吉さんよりももっと凄い事を言って退けたので、信玄様も苦笑いをしていると今度は……
「お!きょうこ!腹出てきたなー!貫禄ついてきたんじゃねーの?」
……どストレートに無神経炸裂の幸村がやってきた。
「……幸、お前はそこの石田を少し見習え」
信玄様が呟いた。