第14章 ~おまけ話~ 甲斐の国
今度は私がオロオロしていると、大きな声が聞こえた。
「おー!早いな!俺が一番かと思ってたのによー」
「政宗っ!!!」
助かったー!!!
「信長様、ご無沙汰しております」
また、信長様に最初に挨拶してるよ。
でも
「武田!いつも、ありがとなー」
「あぁ」
ん?ここの二人はまだ、仲がいいのかな?
「きょうこどうだ?腹の子は?」
「順調だよ、ありがとう」
「ほら、お前の好物の“団子”だ。発つ前に作ってきた」
「うわーー!ありがとう!嬉しい」
団子を受け取りニマニマしていると、政宗が光秀さんに声をかけた。
「よっ!謀反人!まだ、首付いてたのか?」
「……お陰様でな」
「……」
まーね、一応“本能寺の変”が起こったようにも仕向けたし、その後も史実通りに記録を残した。
だから、信長様も光秀さんも、死んだことになってるんだよね……
だけど私達のいる戦国時代と、史実に残っている武将達の年齢が、大きく違って……
それの辻褄合わせが面倒だったみたいだけど、それこそ正式な戸籍謄本があるわけじゃないし、
あれだけのキレ者揃いなんだから、なんとでもなったみたい。
まぁ、私は途中から話が難し過ぎて、蚊帳の外だったんだけどね。