第13章 再会 ~本編完結~
「確かにこれは……武田信玄の彫った物ですね。中も拝見してよろしいでしょうか?」
「はい」
当主と言う男が、箱を開けるとそこには……
信玄君ときょうこの結婚アルバムが入っていた。
「あぁ……本当に……これが……」
声を震わせている。
そして、私達に向かい深々と頭を下げてきた。
「不躾に色々と申し訳ございませんでした。実は私どもも、これらと全く同じ物を所有しておりまして……」
「頭をお上げ下さい。正直、突然私達の様な者が現れて、もっと戸惑われるかと思っておりました」
頭を上げた当主は、真っ直ぐに私の目を見つめ
「いえ。ずっと当主にだけ語り継がれていたのです。『令和』と言う時代に、“”様がいらっしゃると言うことを……」
「『令和』ですか……」
「はい。もちろん、そんな元号が決定されるずいぶん前にです。そんな不思議な事が……いえ、ですが……我々は信じざるを得なかったんです……」
その言葉に私達が少し首を傾げたところで、けたたましく足音が鳴り響き、応接室のドアがノックされた、と同時にドアが開いた
「失礼します!!!様が来られたって、本当!?」
「お父さん、本当に様なのっ!?」
「こらっ!失礼だぞ!!!」
当主の大きな声が響いた。
だが、私達3人の目は入って来た
“2人”に釘付けだった……