第12章 謀~ハカリゴト~
読める文字を拾って、信長様と光秀さんが本に見いっている。
「大体は理解できたが……これは、きょうこが俺を助けた時の事か?」
信長様が私に聞いてくるけど……正直、歴史に疎い私は佐助君を見た。
「はい」
代わりに佐助君が返事をしてくれた。
「だが中身はかなり違うな、焼け落ちた事ぐらいしか合致しない」
光秀さんの言葉に、信長様が被せる。
「貴様達は、500年後に行っていたのだろう?何か変わった事はあったのか?」
過去が変わった事によって、現代が変わるかも知れない。そんな事、解りきっていたはずなのに、私はなかなかピンとこなかった……だけど、
信長様は、やっぱり凄い人だ。
この状況と本を少し読んだだけで、理解しているんだ、なんて感心していると
「お前の頭がささやか過ぎるだけだ」
「……っ」
光秀さん……また、私の頭の中を読んでいる……
私が少しムッとしていると、佐助君が
「いえ。特に大きく変わった様子はありませんでした。実際にこの時代の文献等を調べた訳ではありませんが……」
「そうか……」
その言葉に少し安堵したような声を、信長様が洩らした。
「お前の様な、呆けたヤツが生きやすい世は、変わっていないのだな」
……だから、光秀さん一言多いんですけどぉ!?
また私が少しムッとした顔をしていたら、佐助君フォローするかのように話し出した。
「この時代は後に戦国時代と呼ばれ、実はハッキリしたと記録があまり残っていないんです」
「え?そうなの?三成くんとか、けっこう色々書いてるよね?」
私の質問に、信長様と光秀さんが呆れた目で見ている。そして
「残らない様にしているんだよ」
信玄様が、教えてくれた。