第11章 戦国時代
「おい!」
「おいっ!」
「おいっ!!!」
「……」
「……」
「……」
「着いたのか……」
信玄様の声がした。
「なんでお前達は抱き締め合っているんだ?」
…………
ん?謙信様によく似た……
「だから、おいっ!!!っつてんだろ!?」
あー幸村にも……
えっ!?
謙信様!?幸村っ!?
「うわっ!!!」
今度は佐助君の声……って、珍しいなあんな大きな焦った声を出すなんて……
そう思って声の方を向くと
「えええっ!!!!」
思わず私からも大きな声が出た。
佐助君の首には、ギラリと光る刀があてられている……
その刀の持ち主はもちろん……
「謙信様……物騒過ぎますよ……」
今度は冷静に、佐助君が話しかけている。
そしてその声を遮ったのは、幸村。
「信玄様!!!無事だったのか!?」
「あーーー無事に辿り着いたようだなー」
そう言うと、私をギュッと抱き締めた。
「はい!」
「ん?なんでそんな珍妙な格好をしてるんだ?」
幸村が床に座り込んでいた私達を見て、呟いた。
「あーきょうこのいた場所に住んでいたからなー。それにしても、よくわかったな。今日ここに着くことを」
「何を言ってるんですか?信玄様が、見に来いと言っていた日ですよ」
幸村が呆れたように言った。
すると信玄様が
「じゃあ、こちらでは日が経っていないんだなー」
ぼそりと呟いた。