第11章 戦国時代
翌朝、父と話した内容は、何も聞かずにいた。
母も同様だったようで、私達はいつも通りの朝を迎えた。
皆で朝食を食べ、仕事に行く父と兄を見送る。
そして、お昼ご飯を母と信玄様の3人で食べた後、
私達は戦国時代から来たときよりも、少し多めの荷物を抱えている。
こちらで使っていたものは、また使うから、と言ってそのまま置いて貰うことになっている。
「大変お世話になりました」
「ありがとう。お母さん」
「ふふ、いいのよ。気をつけて帰ってね」
「お父さんとお兄さんにも……」
「わかってますよ、無事にこちらを発った事は伝えますね」
「はい」
ニッコリと微笑み合う信玄様とお母さん。
そして
「行ってきます!」
「行って参ります」
「行ってらっしゃい」
普段通りの言葉で、家を後にした。
だって
何度も戻ってこれるはず。
短期間であんなに何度もワームホールが開いたんだから。
これが最後になんてならない。
だよね。
だから言わない。
寂しい言葉は……